現在では様々なサプリメントが出回っており、スーパーでも、手軽に購入できたりもします。その中でマルチビタミンやビタミンBミックスというサプリがとても気になったので、今回は、その商品を例にしながら、ビタミンのおさらいをしたいと思います。
さて、そのビタミンBミックスですが、その一粒には、何種類ものビタミンがはいっていて、忙しくても一度で多くのビタミンが摂取できる優れもの。ビタミンはなんとなく体によい。美容によい。そんなイメージですが実際ビタミンってどんな種類があるの?効能は?欠乏症は?それを本当に詳しく理解した上で摂取している方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
食生活アドバイザーの復習も兼ねてまとめていきたいと思います。
※サプリメントとは手軽に摂取できますが、錠剤である以上少なからず添加物も含まれます。
あくまでもサプリというのはバランスのとれた食生活をしたうえでの補助的なものと考え、以下ではどんな食材に何のビタミンが多く含まれてるのかもまとめました。
※実際にサプリを使用される場合はそのサプリの注意書きをよく読んで摂取してください。
心配な方は販売元の会社を調べれば最近では成分等の情報もすぐ手にはいります。
ビタミンBミックスの中身
実際、私がスーパーで手にしたのはDHCのビタミンBミックス。※栄養機能食品と記載。
※消費者庁によると栄養機能食品=特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養の機能を表示するものをいうそうです。
そのビタミンBミックスのパッケージには(2021年時)「ビタミンB群全8種類をまとめて!」のキャッチコピー!に「皮膚をすこやかに保ちたい」ビタミンB不足に」などイラストも添えられていて販売意欲をそそられます!
表示されてるビタミンはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン(+イノシントール=以前はビタミンB群の仲間として扱われていましたが今は※ビタミン様物質)
※ビタミン様物質とは、ビタミンに似た作用をもつ有機化合物。体内で生合成できるので、栄養素として必ずしも摂取する必要がないもの。
食生活アドバイザー2級の試験でも、栄養と健康に関する知識でビタミンについて出題されます。
ビタミン1つ1つに重要な役割があることは必須項目です(3級でもビタミン出題あります)
3級では5択問題からひとつ選べばよいのですが、2級となれば6択になり一気に難易度があがります。
2級のビタミンの問題を例をあげますと、
問題:ビタミンに関する記述として不適切なものをえらびなさい。該当するものがない場合は6を選びなさい。
などと問題もひっかけ的にもなってきます。
不適切なもの、該当するものがない場合=正しいことを覚えておかなければならない。とういことになります。ビタミンについてしっかり特徴など雑学まで頭にいれておく必要があります。
まずビタミンとは
5大栄養素のひとつで、身体の調子を整える働きがあります。
(①たんぱく質・②脂質・③炭水化物・④ビタミン・⑤ミネラル)
※ちなみに3大栄養素は=①たんぱく質・②脂質・③炭水化物
ビタミンは現在13種類あり、脂溶性ビタミンが4種類、水溶性ビタミン9種類にわけられます。
(※ビタミン様物質を含める20種類とする見方もあります。)
●ビタミンは微量栄養素といわれ、微量で体内の生理機能(代謝)を調節しています。潤滑油的な働きをし、物質を合成したり分解したり、他の栄養素の働きを円滑に進めるのに欠かせない物質です。不足すると特有の欠乏症を引き起こします。
●ビタミンは体内ではほとんどつくられない有機化合物です。体内で合成できないものがあったり、されたとしても必要量に満たない為、食物などから取り入れなけらばなりません。
●ビタミンの名前は発見の順序によってアルファベットで命名されてきました。現代はその性質がよくわかるようなよびかた方にかわっています。
●喫煙や度を過ぎた飲酒、ストレスによりビタミンが損失、不足してしまう場合があります。
脂溶性ビタミン(4種類)
その名の通りに油に溶けやすいビタミンです。
体内に蓄積されやすいので、摂取量に注意が必要です。
特に手軽にとれるサプリメントなどはとりすぎに注意しましょう。
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK
ビタミンA
成長を促進する。皮膚・粘膜・視力・目の角膜を健康に保つ。免疫力を強くして細胞やウイルスから体を守る。がんを防ぐ。
※ビタミンAには動物性食品に含まれている「レチノール」と体内に入ってからビタミンAに変化する植物性食品の「β-カロテン」があります。
<欠乏症>
●夜盲症(明るい所から暗い所にくると最初ははっきり見えないが次第に暗順応により見えるようになりますが、この暗順応が不能になり暗闇での視力が著しく衰えてしまう)
●角膜乾燥症(=ドライアイ。目が乾く、つかれやすい、ゴロゴロする、かゆい、充血、不快感、いたみ、まぶしい、目やに、訳もなく涙がでるなど)
●発育不全
<多く含む食品>
レバー、うなぎ、にんじん・ほうれん草等の緑黄色野菜、バター、プロセスチーズ、卵など
※サプリメント等で過剰摂取すると頭痛や吐き気などを引き起こすこともあります。
ビタミンD
カルシウムやリンとともに骨や歯をつくる、筋力を維持する。
<欠乏症>
●くる病(=骨軟化病、弱い骨ができてしまう)
●歯や骨の発育不全
●骨粗鬆症(こっそしょうしょう)(骨の強度が低下して骨折しやすい状態になる)
<多く含む食品>
キクラゲ、サケ、しらすぼし、干ししいたけ、カレイ
※野菜には含まれていない栄養素
※サプリメント等で過剰摂取するとのどの渇き、かゆみなど引き起こすことがあります。
ビタミンE
高い抗酸化作用があり発がんを抑制する、老化を遅らせる、血液を強化する。動脈硬化を防ぐ。自立神経を安定させる。
<欠乏症>
●溶血性貧血(自分の赤血球を攻撃する抗体(免疫物質)ができることで、血管の中を流れる赤血球が溶けて破壊され起こる貧血。)
●不妊
<多く含む食品>
アーモンド、ヒマワリ油、コーン油、胚芽など
ビタミンK
血液を凝固させる。カルシウムの沈着を助ける。
<欠乏症>
●頭蓋内出血
●出血がとまらない
<多く含む食品>
納豆、ヒジキ、ワカメ、緑黄色野菜(モロヘイヤ、ほうれん草、、、)など
水溶性ビタミン(9種類)
その名の通り水に溶けやすいビタミンです。
必要量を超えると尿として体外へ排出されるので、過剰摂取の心配はあまりありません。
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・ナイアシン
・パントテン酸
・葉酸
・ビオチン
・ビタミンC
ビタミンB1
成長を促進する、心臓の機能を正常に保つ、食欲を増進する。
<欠乏症>
●脚気(末梢神経や中枢神経が冒され、足のしびれ・むくみなどの症状が出る。重症化すると心不全を起こすこともある。
※膝の下をたたくと足がはね上がりますが、反応しない場合は脚気の疑いあり)
●食欲不振
●神経障害
<多く含む食品>
豚肉、ウナギ、豆類など
ビタミンB2
成長を促進する、皮膚や粘膜、目を健康に保つ、体脂肪の蓄積を防ぐ、動脈硬化を予防する。
<欠乏症>
●口角炎
●口唇炎
●口内炎
●皮膚炎
●成長障害。
<多く含む食品>
ウナギ、レバー、アーモンド、卵など
ビタミンB6
アミノ酸の代謝を促進する、神経機能を正常に保つ、老化を予防する、アレルギーに対する免疫力を高める、皮膚の健康を保つ。
<欠乏症>
●皮膚炎
●口内炎
●手足のしびれ
●成長障害
●貧血
<多く含む食品>
マグロ、サンマ、サケ、バナナ、にんにく、ゴマなど
ビタミンB12
成長を促進する、貧血を予防する、赤血球の生成を助ける、神経機能を正常に保つ。
<欠乏症>
●悪性貧血(胃炎で胃粘膜の萎縮が進むと、胃粘膜から内因子の分泌が少なくなってビタミンB12の吸収障害がおき生じる貧血)
<多く含む食品>
アサリ、しじみ、レバー、カキ、サンマ、チーズ、たらこなど
※植物性食品には含まれない。
ナイアシン
皮膚や粘膜を丈夫にする、血行をよくする、消化器系の健康を守る、脳神経の働きを助ける。
<欠乏症>
●皮膚炎(ざらざらした皮膚になる)
<多く含む食品>
酵母、レバー、魚(かつお、たらこ)など
パントテン酸
善玉コレステロールを増やす、免疫力を強化する、ストレスや疲労を取り除く、糖質や脂質を分解する。
<欠乏症>
●血圧低下
●副腎機能低下(ホルモンの働きをコントロールする下垂体の副腎皮質刺激ホルモンの分泌欠乏により疲労感、倦怠感、筋力低下、他消化器系症状、神経系症状など様々な症状がでる)
●腰痛
●成長障害
<多く含む食品>
レバー、納豆、落花生、たらこなど
葉酸
成長を促進する、貧血を予防する、皮膚の健康を保つ、病気に対する抵抗力をつける、造血の働きがある。
※妊活・妊娠中に必要なビタミンでもあります。(胎児の生育に関わる重要なビタミン!)
<欠乏症>
●大赤血球性貧血
●口内炎
●食欲不振
<多く含む食品>
レバー、肉類、大豆、卵、さつまいもなど。
ビオチン
白髪や抜け毛を防ぐ、皮膚を正常に保つ。
<欠乏症>
●皮膚炎
●食欲不振
●白髪
●脱毛
<多く含む食品>レバー、イワシ、卵、クルミ、あさりなど
ビタミンC
コラーゲンを生成する、血中コレステロール値を下げる、肌に潤いやハリを与える。免疫力を高める、ストレスに対する抵抗力を高める、がんを防ぐ。
<欠乏症>
●壊血症(血管がもろくなり皮膚や粘膜、歯肉等の出血をひきおこしやすくなる)
●疲労感、脱力感
●出血
●色素沈着
●風邪をひきやすくなる
<多く含む食品>
アセロラ、キウイフルーツ、イチゴ、柑橘類、緑黄色野菜、サツマイモなど
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